澤、確信!最後のW杯完全燃焼で勝つ!
「カナダ女子W杯・準決勝、日本-イングランド」(1日、エドモントン)
連覇を狙うなでしこジャパンは1日(日本時間2日朝)、2大会連続決勝進出を懸け、準決勝でイングランドと対戦する。今大会が最後のW杯になるMF澤穂希(36)=INAC神戸=は「チームが勝つため自分ができることを一生懸命にやる」と、この一戦に全てをささげる覚悟を示した。
泣いても笑っても、生涯であと2試合-。「今大会が最後のW杯になる」と以前語った澤はイングランド戦に向け、すっきりした表情でこう話し始めた。
「試合に出ようが控えだろうが『チームのために戦おう』と決めて臨んだ大会。だからチームが勝つために自分ができることを一生懸命やる」
イングランド戦は自身にとってW杯24戦目。男女通じて史上最多6大会W杯出場の澤だからこそ、見える景色がある。「試合は控えの選手が決めると思う。私は今、控えの選手と一緒にいる。みんなのモチベーションを一つにしなければならない」
1試合でピッチに立てるのは最大で14人だけ。試合に出られなかった選手がふてくされ、モチベーションを落としたら、絶対に優勝なんてできない。チームが一丸となることの大事さを、澤は知っている。
大会直前、約1年間のブランクを経て、代表へ復帰した。36歳。かつてのように90分間通じてエネルギッシュには動けない。ベンチスタートという境遇には自身の中に葛藤もあったが、主将のMF宮間あや(30)=岡山湯郷=に懇願されたこともあり、佐々木則夫監督(57)の要請を受け入れた。
「ここにいる選手はみんな試合に出たい。悔しい気持ちはあるけど、みんなチームのために文句を言わず、黙々と試合に向けて準備をしている。それでも静かになるときがある。そういう時は先頭に立って声を掛け、またプレーで見せる。そこはしっかり自分がやらなくてはいけない」
イングランド戦は大一番。かつてのように、ピッチ内で主役を張ることはなくなったが、経験豊富な澤にしか務まらない役回りがある。「4年前、唯一負けた相手。でも、なでしこの良さが出れば大丈夫」。澤がそう言うから誰もが信じ、その気にもなる。