切り札・岩渕初先発へ「やるしかない」
「サッカー女子・リオデジャネイロ五輪アジア最終予選、日本-ベトナム」(7日、キンチョウスタジアム)
4大会連続5度目の五輪本大会出場が絶望的となったサッカー女子の日本代表「なでしこジャパン」は6日、ベトナム戦に向けて堺市内で冒頭を除く非公開練習を行った。佐々木則夫監督(57)は先発メンバーの入れ替えを示唆。3試合連続途中出場のFW岩渕真奈(22)=バイエルン・ミュンヘン=は「長い時間出るに越したことはない。アピールになれば」と今予選初の先発出場へ意欲を見せた。日本はベトナムに勝っても、他国の結果次第で五輪出場の可能性が完全に消滅する。
未来のなでしこを背負う責任感がにじみ出た。日本の五輪出場は絶望的となり、午後4時35分開始の試合で中国が韓国に引き分け以上なら、ベトナム戦は消化試合となる可能性もある。それでもFW岩渕は「過去は変えられない。チームのため、日本の女子サッカーのためしっかりやらないといけない」と前だけを見据えた。
2日の韓国戦では先制点も挙げたが、不完全燃焼の思いは募る。「出場時間が長いに越したことはない。それが北朝鮮戦へのアピールにもなる」とスタメン出場に、こだわりを見せた。佐々木監督は異なる組み合わせでの選手起用を示唆しており、岩渕が先発出場する可能性も浮上した。
これまでの3試合ではロングボールを多用する戦術の中で持ち味を出し切れていない。「どうすれば自分が生きるか考えながらやっている」と迷いも口にした。
27歳で迎える20年東京五輪ではエースとしての期待も掛かる。「やるしかない」という言葉を繰り返した。絶望的な状況の中で、なでしこの希望の光となる。