旅館・ホテルの6割「景況感が良い」…需要増加やコスト高騰で旅行単価は上がっている?

コロナ禍が過ぎ、観光客の数も戻りつつありますが、旅館やホテルの景況感はどのように変化しているのでしょうか。株式会社帝国データバンク(東京都港区)が、2024年3月31日までの期間で集計した「旅館・ホテル業界の最新景況レポート」によると、6割の企業で「良い」と捉えていることが分かりました。

2024年3月の調査によると、旅館・ホテル企業の60.0%が景況感を「良い」と回答し、「どちらともいえない」の23.3%、「悪い」の16.7%を上回る結果になりました。企業からは「海外を含め国内のお客さまも多い」「ようやくコロナ前の売り上げ水準に戻ってきた」というように、明るい声が寄せられています。

また、観光庁の発表によると、2023年における日本人の国内宿泊旅行の旅行単価は1人1回当たり6万3212円で、コロナ禍以前の2019年の5万5054円から14.8%の増加となっています。

国内宿泊旅行の単価は、2022年の段階で2019年を超えていましたが、その背景として、旅行へのリベンジ消費や原材料・エネルギーコストの高騰、価格転嫁の進展や人材確保に伴う賃金の上昇、観光地における飲食代や土産代、宿泊料金などの値上げが旅行単価の上昇につながったとみられるほか、堅調に回復しているインバウンド需要も、単価上昇が加速する要因となっています。

なお、「旅館・ホテルの販売単価」が上昇した割合は、2022年の8月から20カ月連続で60%を超え、2024年3月時点では75.3%を記録していました。

また、コロナ禍で低下していた設備の稼働率も、2022年4月以降に「上昇」と捉える企業の割合が「低下」(19.4%)を逆転し、直近の2024年3月は59.7%と大幅に上昇。

ただし、深刻化する人手不足への対応や、食材をはじめアメニティ、リネン関連費用、冷暖房費などの高止まりなどは企業収益を圧迫する要因となっていることから、宿泊料金の値上げは続くと見込まれるといいます。

このような状況から同社は、「国内のリベンジ消費が一巡する方向にあるなかで、消費者の宿泊離れを回避するために各社は独自性や希少性、高級感などの対応を迫られることとなるだろう」とコメントしています。

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