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稀勢の里、意地の1敗堅持でVへ前進

 琴奨菊(左)を肩すかしで下した稀勢の里(撮影・西岡 正)
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 琴奨菊(左)を肩すかしで下した稀勢の里(撮影・西岡 正)

 「大相撲夏場所9日目」(14日、両国国技館)

 稀勢の里が琴奨菊との日本人大関対決を肩透かしで制して勝ち越しを決め、優勝争いトップをキープした。横綱白鵬は関脇豊ノ島に首投げで裏返され4敗目。3連敗となったが、休場の可能性は否定した。大関鶴竜は小結安美錦に押し出され2敗に後退。稀勢の里と平幕の栃煌山が1敗。2敗で鶴竜、琴奨菊、玉鷲、宝富士が続き、大関把瑠都、琴欧洲ら8力士が3敗で追う混戦となった。

 稀勢の里がライバルを撃破した。ともに1敗で優勝争いトップを並走する琴奨菊との大関対決。立ち合いから先手を許し土俵際に押し込まれたが踏みとどまり、最後は肩透かし。土俵上で「ヨシッ」と、勝ちどきを上げた。「前に出たかったが(相手の)体があいたので、そこだと思った」。冷静さが光った。

 待ったとなった最初の立ち合いでは、稀勢の里が先に立ち、そのまま琴奨菊をのど輪で突いた。今場所最多の当日券が売れた館内がどよめいた。「勢いが余ってしまった。熱くなりましたが、大丈夫だった」。冷静さだけではない。高ぶる闘志も同居する姿に、今場所の充実ぶりが表れた。

 琴奨菊とは先場所まで12勝25敗。大関昇進も1場所後れを取った。ライバル意識は「どうでしょうね。思い切ってやるだけ」と明言しなかったが、場所前に行われた二所ノ関一門の連合稽古では激しく三番稽古を挑んだ。その際は琴奨菊を圧倒。苦手克服のイメージを高めていた。

 大関として3場所目。場所前は酒を控え、約3キロ減量した。この日の朝稽古では「場所中は緊張で体が膨らむが今場所はそれもない。疲れを残さないようにしている。順調だね」と手応えを口にした。場所中にこそ食が進む大関が、自覚を高めて臨んでいる。

 日本人力士の優勝は06年初場所の栃東(現玉ノ井親方)以来、ない。6年ぶりの快挙へ向け「自分自身どこまでできるか」と、優勝への意欲をはっきり口にした。

(2012年5月15日)

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