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稀勢の里、1敗死守!後続に2差つけ独走

 鶴竜(左)の上体を起こして一気に寄り切った稀勢の里(撮影・開出 牧)
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 鶴竜(左)の上体を起こして一気に寄り切った稀勢の里(撮影・開出 牧)

 「大相撲夏場所11日目」(16日、両国国技館)

 稀勢の里が取り直しの末、鶴竜との大関対決を寄り切りで制し、1敗を守った。2敗で追っていた平幕の栃煌山ら3人が敗れたため2差がつき、06年初場所の栃東以来となる日本人力士6年ぶりの賜杯へ独走態勢に入った。鶴竜は4敗目。横綱白鵬は大関琴欧洲を切り返しで退け7勝目。勝ち越した把瑠都、琴奨菊の両大関ら8人が3敗で追う。

 取り直しの一番。稀勢の里は平然と構えた。呼吸が整わないままの鶴竜とは対照的だった。鋭い立ち合いから押し込み、右上手を引きながら一方的に寄り切った。「ガムシャラですね。何とか勝てた。自分の相撲を信じてやれたのが一番」と、顔を紅潮させながら振り返った。

 九死に一生を得た。最初の取組は立ち遅れ、もろ差しを許した。右手で懸命に突き落とすも軍配は鶴竜。物言いの末、同体とされた。「うまくやられた。でもチャンスだと吹っ切れた」。取り直しの一番はスタミナで圧倒。角界随一とされる鳴戸部屋の稽古量が生きた。“完敗”から白星をつかみ「何とか、このチャンスを生かしたね」と汗をぬぐった。

 茨城県龍ケ崎市にある母校・長岡中の鈴木裕一校長が、教職員と観戦に訪れた。「中日を過ぎて校内も盛り上がってきました」。千秋楽には生徒とともに応援に訪れる計画も立てている。当日券が今場所最多の1420枚が売れるなど、声援は日増しに大きくなっている。

 後続に2差をつけ、14日目にも06年初場所の栃東(現玉ノ井親方)以来の日本人優勝が決まる。白鵬は稀勢の里について「優勝するんじゃない」と予想し、北の湖理事長(元横綱北の湖)は「今日は一つの関門だった」と期待を寄せた。

 自分を信じること、あきらめないこと、そして稽古量‐。昨年11月に急逝した先代鳴戸親方(元横綱隆の里)に教わったことを貫いている。「1日1番集中すること」と稀勢の里。大関昇進の際に誓った初優勝は、亡き師匠への恩返しになるはずだ。

(2012年5月17日)

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