33歳・大雷童44場所ぶり関取復帰だ
「大相撲九州場所」(10日初日、福岡国際センター)
33歳の大雷童が大きな夢を見据えている。東幕下11枚目で迎える故郷での場所。2場所連続で勝ち越し、成績次第で十両に昇進する同15枚目以内に、6場所ぶりに復帰した。
06年名古屋場所以来遠ざかる十両に、今場所で復帰を決めれば、43場所のブランクを乗り越える。浜錦の38場所を上回り、大相撲の最長ブランク記録に名が残る。「師匠(高田川親方)からは『気持ちが切れなければ大丈夫』と言ってもらえて、それを信じてあきらめず、一生懸命やっています」と話した。
30歳を前に「関取はもう無理だと思った。2年間ぐらい腐っていた」という。肉体の衰えを自覚してきた11年3月、転機が訪れた。八百長問題により春場所が中止。ポッカリと時間が空く中で「もう一回、やり直そう」と決意。四股やてっぽうの基本を大切にするようにし、今は「体に力が入るのが分かる」と、手応えを得た。
祖父は画家の福富雷童。千葉県旭市に記念館がある。「幼稚園の時に亡くなったんですけど、アトリエの臭いは覚えています。もう一度、十両になれたら、祖父の絵を化粧まわしに使いたいんです」と夢を描いている。(山本鋼平)