逸ノ城 ようやくお目覚め15年初勝利
「大相撲初場所・3日目」(13日、両国国技館)
逸ノ城は碧山との関脇対決を寄り切りで制して、初日を出した。3横綱は、白鵬が宝富士を押し出し、日馬富士も勢を押し出して、ともに3連勝。鶴竜は栃ノ心を寄り切り、連敗を免れた。大関陣はかど番の豪栄道が高安を寄り切って2勝目を挙げたが、稀勢の里は照ノ富士に押し出され、かど番の琴奨菊も栃煌山にすくい投げに屈した。遠藤は安美錦に足取りで敗れ1勝2敗。
怪物がようやく目覚めた。逸ノ城は立ち合い素早く右を差すと、左で碧山の右を抱え込む。上手は取れなかったが、左へ回り込む相手についていき、難なく寄り切った。
3日目で2015年初白星。2人合わせて397キロの巨漢対決を制し「この3日間は長かった。今日は右を差せたし、前に出ていったのでよかったです。ちょっと気持ちが楽になりました」と、細い目をさらに細くして喜んだ。
前日の打ち出し後、師匠の湊親方(元幕内湊富士)から受けた言葉を忠実に守った。「体は悪くない。あとは気持ち。初心に帰って頑張れ」。この一番では課題の踏み込みが、快進撃を見せた昨年9月場所のように力強かった。
4日目からはいよいよ大関戦が始まり、最初の相手は琴奨菊。北の湖理事長(元横綱)は、「琴奨菊の出足を止めて勝つ形を作ることが大事」と復調に期待する。「場所はこれから。もっと頑張っていきたい」。怪物が復活すれば、新春の両国は一層盛り上がる。