逸ノ城“悪癖”変化に館内ブ~イング
「大相撲初場所・4日目」(14日、両国国技館)
関脇逸ノ城は立ち合いの右変化で大関琴奨菊をはたき込みで下し、2勝2敗の五分にしたが、期待を裏切るあっけない相撲内容に4日連続で大入り満員となった館内からブーイングが起こった。かど番の琴奨菊は連敗。横綱白鵬は照ノ富士、日馬富士は遠藤を破り4戦全勝。平幕の隠岐の海を含めて勝ちっ放しは3人だけになった。
熱戦を期待した満員の館内が、ため息とどよめきに包まれた。関脇逸ノ城と大関琴奨菊のぶつかり合い。しかし、立ち合いでお互いに手をつかずに数秒間のにらみ合いのあと、ようやく立ち上がった瞬間に逸ノ城が右に大きく変化。低く突っ込んだ琴奨菊は、頭を押さえつけられてバッタリと横転した。わずか1・3秒のあっけない勝負。9994人が詰めかけ、4日連続で満員御礼となった国技館からはブーイングが起こるほどだった。
逸ノ城は新入幕だった昨年9月場所でも鶴竜戦と稀勢の里戦で立ち合いに変化して勝っている。次期大関候補ナンバーワンの期待が懸けられ、内容も求められてくるだけに、本人も「これじゃダメですね。(変化が)良くないのは分かっているけど…。大関の方が低いし、当たりも強いので」と、取組後の支度部屋ではさすがに神妙な表情だった。
復活してきた大相撲人気を確固たるものにするためには、何よりも土俵の充実が大事と訴える北の湖理事長(元横綱)も不満を隠さない。「お互いに見てしまって合わなくなった。だから引きにいったんだろう。ただ、逸ノ城はこれが癖になると苦しい。当たって自分の型をつくるようにしないと」とあえて苦言を呈した。この一番をクスリに怪物が本来の姿を取り戻せるか。