「居反りの宇良」角界入り 関学大初
史上最強の異能力士へ-。アクロバティックな決め技で注目を集め、世界大会優勝経歴がある関学大相撲部4年の宇良和輝(22)が木瀬部屋(元幕内肥後ノ海)に入門することが5日、発表された。1917年創部の関学大相撲部からは初の角界入り。12日に関学大で会見を行う。アマ相撲界屈指の業師がプロの世界に挑み、春場所(3月8日初日、ボディメーカーコロシアム)での前相撲デビューを目指す。
小さな体で大きな選手をなぎ倒す。アマ相撲界では知られた存在の宇良が、プロ入りを決断した。最近は少ないが、古くは栃赤城、平成では舞の海、智ノ花らに匹敵する、人気と実力を兼ね備えた異能力士となる可能性を秘める逸材だ。
関学大入学時は体重65キロ。1日5・5合のご飯とウエートトレでパワーアップに成功した。13年の全国選抜大学・実業団和歌山大会で、元アマ横綱や学生横綱などを次々と破り準優勝。同年にロシアで行われた武術と格闘技の世界大会「第2回ワールドコンバットゲームズ」相撲競技に日本代表として出場し、軽量級(85キロ未満)で世界一にも輝いた。
得意技は「研究を重ねた」という低い体勢から繰り出すタックルのような「足取り」と、相手の懐に潜り込み、両手で相手の膝を押し上げ、後ろに反って倒す「居反り(いぞり)」だ。中学までのレスリング経験から独自の型を築き上げた。
昨年6月にはバラエティー番組「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日系)に「マンガみたいな取組」として取り上げられた。巨漢選手を居反りで宙に浮かせて裏返すシーンなどが放映され、「見たこともない技だ」とインターネットなどで大反響を呼んだ。
小学校教諭になるのが夢だったが、3年の終わりごろから「自分のレベルを知りたかった」とプロ入りを意識し始め、昨年末に決断。「幕下上位に1年で絡めるようにしたい。壁にぶつかるかもしれないけど、2年で関取になれるよう頑張りたい」と抱負を語った。
現在の体重は107キロ。超個性派の業師がプロでも沸かせることができるか、注目が集まる。