旭天鵬、幕内“残った”5勝目ゲット
「大相撲春場所・10日目」(17日、ボディメーカーコロシアム)
角界のレジェンド・40歳の旭天鵬が松鳳山を小手投げで破って5勝目を挙げ、夏場所(5月10日初日・両国国技館)での幕内残留を確定的とした。幕内出場は1435回で、史上1位の魁皇(現浅香山親方)の1444回にあと9と迫った。横綱白鵬は豪風を押し出し、10連勝で単独トップをキープ。関脇照ノ富士は大関琴奨菊を押し出し、安美錦が徳勝龍に押し倒されて2敗目を喫したため、1敗は照ノ富士だけとなった。
旭天鵬が、今場所最初の目標だった5勝目をゲット。4連敗スタートだったが、5日目から5勝1敗というハイペースで白星を積み重ねた。
突っ込んできた松鳳山を左右からかかえ込んで引っ張りこむと、左からの小手投げで勝負を決めた。もろ差しを狙ってくると読んだベテランらしい冷静さが光るものの、「豪快だった?いや、5勝目にかける気持ちが強かったから」と、目の前の勝利に対する貪欲さが光った。
西前頭11枚目で、幕じりまでは5枚。幕内残留を確定的にした。「幕内力士のまま東京に戻りたい」と、上りの新幹線に例えて、京都、名古屋、新横浜、品川と停車駅を数えていたが、東京にたどり着いた。「着いたな。ホッとしたよ。勝ち越した気分」と笑顔を見せた。
4連敗を喫した時には、「正直、あかんと思った。もう結果はどうであれ、最後(千秋楽)まで取り切ろうと考えた」と、現役引退の覚悟をしたほどだった。そこから星を五分に戻し、「本当に相撲は分からんわ」と、振り返った。
順調にいけば夏場所の5日目に幕内出場回数で史上1位に躍り出る。レジェンドの戦いは、まだまだ続く。