白鵬36連勝でストップ…Vお預けに
「大相撲春場所・13日目」(20日、ボディメーカーコロシアム)
「アーッ」というように、土俵を割った白鵬が顔をしかめた。今年初めての黒星の味は、それほどまでに苦いものだった。
勝てば、73年の横綱輪島以来、42年ぶりとなる同一力士の2場所連続13日目での優勝だった。34回目のVは先延ばしになっただけかもしれないが、昨年九州場所7日目から積み重ねてきた連勝は36で途切れた。
史上1位となる双葉山の69連勝が、名古屋場所の千秋楽に見えていたところ。花道を引き揚げる横綱の呼吸は乱れ、支度部屋では背中を向けたまま無言を通した。
戦前、北の湖理事長(元横綱)は「白鵬は立ち合い負けをしない。やりづらい取り方のタイプじゃない」としていたが、ふたを開けてみれば照ノ富士の完勝。ただ、優勝の行方については「8割で白鵬。いくら負けても流れは白鵬」と変わらない。
14日目に勝ち、照ノ富士が敗れれば優勝が決まる。相手は、審判部の判定に不満を漏らす対象となった因縁の相手、稀勢の里。連勝は途切れたが、賜杯だけは譲らない。