前竜ネルソン獲得調査 デサルボ不合格
阪神が前中日のマキシモ・ネルソン投手(30)の獲得調査を進めていることが9日、分かった。この日、入団テストを受けていた前台湾リーグ・ラミゴのデサルボの不合格を発表。メッセンジャー、スタンリッジ両投手が戦線離脱した際の有事に備えるため、外国人先発投手の増強を図る。
今オフ、福留、西岡、日高、コンラッドと得点力アップに向けて野手陣を大幅に補強した阪神が、8年ぶりのリーグ優勝にさらに前進するため、投手陣の増強を画策していることが判明した。前中日・ネルソンに狙いを定め、身辺調査を進めている。
最速155キロの直球とツーシーム、スライダー、フォークを操る204センチの長身右腕。右肩甲下筋付着部の損傷を起因とする右肩痛が原因となり、昨年限りで中日を解雇されたが、来日4年目の11年には自己最多の2桁10勝を挙げるなど、通算15勝をマークした。
自由契約となった後には、ソフトバンクやロッテが獲得調査を進めていたが、契約合意までには至らず、1月にベネズエラのカルデナレス・デ・ララに入団。ウインターリーグで2勝を挙げるなど、右肩痛も癒え、完全復活の道を順調にたどっている。
先発ローテの軸を担うメッセンジャーとスタンリッジに故障などのアクシデントが発生した場合に備え、前台湾リーグ・ラミゴのデサルボの入団テストを行ったが、球威不足を理由にこの日、不合格が決定。ネルソンの獲得調査が急ピッチで進められる環境も整った。
「ネルソン投手のことは聞いていますし、大体の情報は入っています。外国人投手に何かあった場合のことを考えておかなければいけないので、これから検討を進めていくことになると思います」と球団関係者は話した。
また、デサルボの不採用を発表した中村GMも、「これからも(外国人投手の)調査は続けます」とメジャーの開幕ロースターから漏れる選手などもにらんでの獲得に向けた情報収集を継続する方針を示しており、ネルソンに関しては右肩の現状などを中心に、さらに調査を進めていく。
ベネズエラのウインターリーグ終了後、いったんは韓国プロ野球に再出発の地を求めていたネルソン。だが、日本からオファーがあるのならばと方針を転換し、現在は無所属の身で、故郷・ドミニカで自主トレを続けている。身体面の不安点さえ解消されれば、一気に局面は動きだし、獲得に向けた本格交渉に移行する。