久保、3人斬りで完璧守護神デビュー
「WBC強化試合、阪神2‐3WBCキューバ代表」(27日、京セラ)
キューバを力でねじ伏せた。藤川が抜けた大きな穴を埋めるだけの、確かな期待を感じさせた。久保の守護神デビュー戦。最速143キロの直球を主体に、キューバ打線を3人で仕留めた。
出番は1点ビハインドの九回に巡ってきた。試合開始から3時間半、「イライラしたり焦りはなかった。すんなり入っていけた」と先頭のアルエバルエナを直球で追い込むと、最後は外角低めのフォークをひっかけさせて三ゴロ。続くエレディアは外角143キロの直球で見逃し三振に仕留めた。
フェルナンデスにはボールが先行したが、動揺することなく最後は142キロの直球でねじ伏せて左飛。本人は「練習通りのこと(外角低めの制球)ができなかった」と課題を口にしたが、和田監督は「直球に強い打線に対して、直球で押せるキレと力があった。いけるというものを見せてくれた」と完ぺきなデビュー戦に納得の表情だ。
9年前の04年8月。アテネ五輪の壮行試合で松下電器に在籍していた久保はキューバ打線と対峙(たいじ)した。だがエスクルに被弾するなど「スコンスコン打たれた」と脳裏に焼き付いていた苦い記憶。まるで10年間の進化を見せつけるように、世界一軍団をストレートでねじ伏せた。
最高のスタートを切り「課題は登板間隔」と3月半ばに連投テストを行う予定。ボールの力、投球術に問題はない。ストッパーの環境に適応できるかが、カギになる。