金本氏、鳥よ虎でも走れ藤浪よ直球磨け
トリよ、走れ‐。デイリースポーツ評論家の金本知憲氏(44)が10日、WBCで奮闘中の阪神・鳥谷敬内野手(31)に対し、劇的な逆転勝利を飾った台湾戦で見せた盗塁の、ペナントレースでの再現を切望した。また9日に聖地デビューを果たした藤浪晋太郎投手(18)には、直球を磨く必要性を説いた。
鉄人のハートを熱くさせた台湾戦。起死回生の同点打を放った井端。決勝犠飛で4時間超の熱戦に終止符を打った中田。だが、金本氏の胸にズシリと響く衝撃を与えたのは鳥谷だった。九回2死一塁からの盗塁。積極果敢な姿勢が、今も頭から離れない。
「鳥谷がいい走塁をしてくれたよね。ガッツポーズがついつい出てしまった」。失敗‐敗戦の緊迫下で二塁を奪った後輩の足を評価する一方で、「トリもタイガースの試合でああいう盗塁をしてほしい」と、試合の流れを変える場面での盗塁を熱望した。
福留、西岡、コンラッドが新加入し、「去年のなかなか点が取れなかった打線がウソのようにみんな打ってる」と、ここまでの戦いを評した。感じる貧打解消の兆し。だが時に劣勢もある。苦境を打開する盗塁‐足の高次元での活用を求めた。
黄金ルーキーにはスキルアップの必要性を説いた。9日の日本ハム戦で、4回5安打、1失点の聖地デビュー発進となった藤浪には「スライダーが一番良かった。ストレートはもう少し磨かないとしんどいかな。ほとんど芯で捉えられとったからね」。最速151キロの直球も、キレと質が伴わなければ打者に威圧感を与え、牛耳ることは不可能。キャンプ中の対談でも、直球こそが投球の基軸だと熱く語りかけていた。
高い才能を感じるからこその厳しい言葉だ。「まだこの時期。まだまだスピードも上がってくる。向こうは高校生に抑えられてたまるかという気持ちもある。藤浪も倍強い気持ちで向かっていかないと」と、修正に期待した。
ネット裏からタテジマの戦いを見守る今季。後輩たちの暴れ回る姿を楽しみにしている。トリよ走れ、藤浪よ磨け‐。
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