良太4番打!復帰2安打の兄にも負けん
「オープン戦、ロッテ6-4阪神」(16日、QVC)
開幕4番を目指す阪神の新井良太内野手(29)が16日、ロッテとのオープン戦で2安打1打点と奮起した。実績十分の兄・貴浩が2軍の教育リーグで実戦復帰して2安打したが、良太も負けてはいない。七回に放ったタイムリーは、4番の風格を漂わせるものだった。
悠然と打席でボールを見送る姿が、着実に相手をのみ込んでいく。バットを振らず、無言の圧力でじわり、じわりと香月を崖っぷちまで追いつめる新井良。3ボール1ストライクと後がなくなった5球目、苦し紛れの変化球が高めに浮いた。自ら呼び込んだ甘い球。急成長を遂げる4番が見逃すはずがなかった。
場面は3点を追う七回だった。1死一、三塁で迎えた第4打席。ボール球を振らせようとしてくる相手バッテリーの仕掛けに動じなかった。低めの変化球に一切手を出さず、根負けした香月が投げた125キロの浮いたベルトコースの変化球を、フルスイングした。
やや詰まったものの、力強く振り抜いたことで打球はライナーで三遊間を破った。あらかじめ狙い球を絞り、打てる球を一振りで仕留める‐。「きょうはそれができた。ああいうふうにやっていきたい」。4番のポジションに恥じない内容。水谷チーフ打撃コーチも「最初は頼りなかった部分もあったけど、徐々に落ち着きが出てきた。良うなっとるよ」と称賛を惜しまない。
15日のDeNA戦では左前腕部に死球を受けて途中交代した。患部の状態が危ぶまれたが、試合前の練習から精力的に汗を流した。死球を受けた箇所には腫れを防止するためにテーピングを巻いていたが「大丈夫です。痛みはないです」とキッパリ。「そもそもシーズン中だったら昨日の試合も代わってないですから」と言い切る。
勝負強さ、タフな精神力、打撃技術以外に、4番として求められる要素が体の強さ。打線の軸となる以上、体に痛みがあっても相手投手に全力で立ち向かわなければならない。「ああいうことがあった後に、気にせず(打席に)出て行けたのは良かった」と新井良。指揮官も「試合に入った以上、そんなことは言ってられない。それを感じさせないスイングだった」と目を細める。
この日、2軍の教育リーグでは4番を争う兄・貴浩が実戦復帰を果たし、2安打2打点と健在をアピール。実績と経験では間違いなく、兄の方が上回る。ただそれに負けないほど、新井良は大きく、たくましく、猛虎の4番として進化を続けている。
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