FK盤石0封リレーや!久保「楽しい」
「阪神1‐0ヤクルト」(20日、甲子園)
阪神のリードは初回に挙げたわずか1点。それでも、この2人の前では、その1点が大きな壁となって相手打線に立ちふさがる。まさに盤石の救援陣。セットアッパー・福原、クローザー・久保が、燕に反撃の糸口すら与えない投球を見せた。
今季初先発の小嶋が、7回1安打無失点の力投でつないだバトン。ベテラン右腕が燃えないはずはない。「コジ(小嶋)が頑張っていたので、何とかいい形で久保につなげたかった」。そう語った福原が、まずは八回のマウンドに上がった。
先頭の代打・森岡にフルカウントとなるが「コントロールを意識して投げた」と、最後は外角へきっちり制球した直球で見逃し三振。2死から川島に中前打を許したが、二盗失敗で、結果的に3人で抑える形となった。
ここまで8試合に投げ、6ホールド。失点、自責点はともにゼロだ。「運がいいだけです」と控えめに話す36歳のベテラン右腕が昨季に続き、抜群の安定感を示している。
そして試合を締めるのは久保だ。九回、打者3人をキッチリと抑え、今季2セーブ目を挙げた。今季初めて就いた守護神の座。調整方法なども「1年間やってみないと、いや、1年やっても分からないと思う」と不安を口にしたこともあった。それをぬぐい、心を支えているのは、あくなき探求心だ。
「先発の時と違い、試合展開で一喜一憂しないようにしている」。集中力をマウンドでピークにするため、試合へ気持ちを入れるのは登板前ブルペンから。どんな状態であっても「無理にでも、抑えの体に慣れさせないといけない」と球数も抑えてきた。今は10球程度で試合に臨めている。
1点リードの場面では初登板だった。それでも「仕事の内容は変わらない」と涼しい表情。今は「抑えは未知の挑戦ですからね。やっぱり楽しいですよ」と笑顔で話す。安藤、加藤を含めた虎が誇る強固な救援陣。付け入るスキなど見当たらない。