和田監督ニヤリ!足でカブレラ攻略

 「中日0‐3阪神」(24日、ナゴド)

 忌まわしき過去との決別。負の遺産を一掃するため、虎将が勝利のタクトを振った。退路を断った果敢な積極采配。鬼門を喜門に変換した。敵陣を攻めに攻めた和田監督の決断。歓喜のハイタッチが、最大の収穫となった。

 初回、無死一塁。大和の3球目に西岡を走らせた。犠打で手堅く1死二塁の手法を選ばず、クイックに難のあるカブレラの弱点を突き、無死二塁と好機を拡大させた。犠打を挟んだ2死後、マートンの適時内野安打で先制点を奪った。

 2点リードの六回、無死満塁でも策を講じた。打席に向かうスタンリッジにあえて三振を命じた。併殺で2死二、三塁になる最悪のケースを想定し、1死満塁で西岡を打席に立たせ、中前適時打で貴重な3点目をスコアボードに刻ませた。

 「前回7回をピシャッと抑えられてるし、3試合で1点しか取られてない。普通に攻めてたら(いけない)というピッチャー。全員が一つになって、一人のピッチャーを攻略しようと。そういう試合ができた」。思惑通りの試合運びに指揮官の表情も緩んだ。

 前夜、今季ワースト15失点を喫した悪夢を振り払った。「強がっているものの、今日も落とすと、今年もか…というところ。我々にとっては大事なゲームだった」。鬼門におさらば。貯金は再び今季最多の3。恐れるものはなくなった。

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