藤浪、聖地プロ初失点も不敗神話は継続

 「阪神5‐7ヤクルト」(5日、甲子園)

 勝てなかった。でも負けなかった。阪神・藤浪晋太郎投手(19)が先発して7回3失点。プロ入りしてから初めて甲子園で失点し、藤浪自身は敗戦の責任を背負い込んだ。ただ味方が追いついて勝ち負けは付かず、高校時代からの甲子園不敗神話は継続した。

 藤浪が持っている何かが黒星を吹き飛ばしたのか。大歓声と悲鳴が交錯したゴールデンウイークの甲子園。七回までに3点を失ったが、味方打線が同点に追いつき、高校時代から続く甲子園の公式戦不敗神話は途切れなかった。勝てなかったが、負けなかった。

 それでも試合後は、反省の言葉ばかりが口をついた。

 「自分に黒星は付かなかったですけど、しっかり投げていれば勝てた試合だと思います。自分が負けたのも同然です」

 五回、マウンド上で2度、唇をかんだ。1死三塁から森岡に浴びた右前先制適時打。その直後、8番中村に左翼スタンドへ運ばれた2ラン。森岡には149キロの直球が、中村には初球のカットボールがやや甘く入った。一瞬の間に失った3点。五回以外はほぼ完璧だっただけに悔やまれた。

 「中村さんには(ヤマを)張られていた球種がドンピシャで、真ん中に入ってしまいました。森岡さんに打たれたのが本塁打につながったと思います」

 スタンドからは家族が声援を送った。両親に、大体大浪商野球部に所属する弟・滉二郎さんも駆けつけ、初めて藤浪家全員がそろった。

 初勝利の翌日、家族で梅田まで買い物に出かけた。初任給で母・明美さんと弟・滉二郎さんに財布を、父・晋さんには時計をプレゼントした。

 夕食は兵庫県尼崎市内のすし店に行き、初めて自分がごちそうした。プロ初勝利に「おめでとう」と祝福してくれた家族に「ありがとう」と感謝の思いを伝えた。それだけに家族に4勝目を贈りたかった。

 収穫もあった。初回にプロ入り最速タイの152キロをマーク。中盤以降も直球の球威は衰えず7三振を奪った。制球が多少、ばらつく中でも大崩れしなかった。7回4安打3失点の結果は先発投手として合格点といえる。

 和田監督はベンチワークを悔やんだ。

 「(五回の)全力でいって1点を取られたケース。ちょっと間をあけてやれば良かった。それが反省点。そのままの流れでいってしまった」

 ウル虎ユニホームで喫したチーム初黒星に、藤浪は「2回勝っていたので、勝ちたかった」と責任を背負い込んだ。次回登板も同じヤクルト戦。足踏みは出来ない。松山の地で4勝目を手にする。

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