虎162キロ右腕獲得へ!メジャー69S
最速162キロ右腕が、8年ぶりVの立役者となる。阪神が前マーリンズ傘下3Aニューオーリンズのデービッド・アーズマ投手(31)を最有力候補として、緊急補強に乗り出すことが16日、明らかになった。不振のコンラッドが2軍落ちし、外国人枠に空きが生まれ、福原が腰の張りで抹消されていることもあり、長いシーズンを見据えて救援陣の補強を図る方針を固めた。
首位・巨人と2・5差。貯金7で宿敵を追う猛虎が救援陣の拡充に動く。最速101マイル(162キロ)の快速球を武器とするデービッド・アーズマ。米国時間の15日(日本時間16日)に新たな移籍先を求めて、自由契約の道を選択した右腕にタテジマが照準を定めた。
03年ドラフトでジャイアンツから1巡目(全体22番目)指名され、翌04年に2Aと3Aを飛ばして異例の開幕メジャー入りを果たしたアーズマ。04年4月6日のアストロズ戦でメジャーデビューし、初登板初勝利を飾った強運の持ち主だ。
カブスに移籍した05、06年はマートンとチームメート。メッセンジャーも在籍した09年のマリナーズでは、守護神として73試合で3勝6敗38セーブ、防御率2・52の好成績を残した。翌10年も31セーブを挙げたが、右肘を痛めて、11年7月にトミー・ジョン手術を受けた。今季はマーリンズ傘下3Aニューオーリンズに所属し、中継ぎで10試合に登板して1勝0敗、防御率2・57の数字を残していた。
最大の魅力は球児ばりのライジングファストボールだ。マリナーズ時代は90マイル後半(約155キロ)の剛球で三振の山を築いた。右肘を痛めて一時は落ちた球速も、術後2年が経過して全盛期の力を取り戻しつつある。スプリットフィンガー(フォーク)とスライダーのキレも良く、投球回以上の三振を奪うドクターKだ。
阪神はコンラッドが打撃不振で2軍調整中ということもあり、4人の1軍外国人枠に1席の空きがある。加えて、開幕から獅子奮迅の働きを見せてきたセットアッパーの福原が前日、腰の張りを訴えて、出場選手登録を抹消された。
「これから先の戦いを考えたら、補強ポイントはリリーフタイプの右投手になるだろう」と球団関係者は話しており、アーズマは8年ぶりの覇権奪回を狙う上で、うってつけの存在だ。
メジャー通算69セーブを誇る奪三振マシン。年齢も31歳と若い。交渉が順調に進めば、6月上旬にはタテジマに袖を通し、聖地のマウンドに立つことが可能。大観衆の視線をくぎ付けにする快速球。優勝の使者到来が待ち遠しい。