見逃し三振OK!大胆マー君攻略戦法
阪神は27日、甲子園で若手野手と投手による指名練習を行った。水谷チーフ打撃コーチ(65)は、28日に対戦する楽天・田中将大投手(24)の対策として、見逃し三振を許容するなど、大胆な戦法で立ち向かう方針を示した。現在、交流戦で5勝4敗1分け。貯金10を擁する阪神が、球界のエースを打って勢いを加速させる。
球界のエースだからこそ、普通に戦ってはいけない。7勝無敗、防御率1・92の田中を打ち崩すためには何が必要か。水谷チーフ打撃コーチは「真っすぐもいいし、変化球もいい。キレもあってな。そんな投手はなかなか打てん」と語り、そして対策を明かした。
「だから1つの球種を捨ててな。見逃し三振をしてもいいんよ。ゾーンを上げてな」。
直球、変化球ともに一級品の右腕。すべてのボールを追いかけて対応しようとすれば、いかに好調な打線といえども、自分の打撃に徹することは難しくなってしまう。
だからこそ、伝家の宝刀であるスライダーを頭から排除し、直球だけに的を絞る。あるいは逆に、直球を捨て、甘くなる変化球を一振りで仕留める。仮に狙い球が違って見逃し三振を喫することになっても、同コーチは問題視するつもりはない。好投手だからこそ思い切った“究極の選択”が必要だ。
さらに「とにかく投手の足元を狙うんよ。徹底してな。逆方向を狙ったら全部、ファウルになってしまう」。ボール自体に力があるだけに、逆方向を意識すればタイミングが遅れてしまう。逆に強引に引っ張ろうとすれば変化球の餌食になる。打撃の基本とも言えるセンター返しを徹底できるかがポイントになる。
ここまで12球団トップのチーム打率・268を誇る猛虎打線。本塁打数は20本以上の差がありながら、巨人と並んで総得点数203も12球団トップの数字だ。連敗スタートながら交流戦で白星が一つ先行し、4位につけている背景には、18日のソフトバンク戦で沢村賞右腕の摂津を攻略したことが要因の一つだ。
難攻不落の投手を打ち崩せば、チームの勢いは間違いなく加速する。水谷コーチは「内(内角)に来たら、当たってもええんよ」とプロテクターで保護する肘を指さしながら力を込める。中途半端はダメ‐。究極戦法で、マー君を撃破する。