メッセ「初めてボールのことを考えた」
「交流戦、日本ハム3-0阪神」(13日、札幌ド)
打球が人波に消えた記憶を、阪神・メッセンジャーは苦々しく振り返る。全体的な内容に手応えはあった。投じた117球は次への収穫でもある。それでも…だ。許した2本のアーチ。中田の力は認めている。言い訳ではないが、思わず、一連の騒動となっている統一球に目を向けた。
「(二回の一発は)つまった感じはあったけど、それでも運ばれた。ボールのせいにしてもいいんじゃないか。初めて(飛ぶと言われる)ボールのことを考えたよ」
悔しさをにじませたのは、二回だった。先頭の中田に投じたのは外角への147キロ直球。反応良くはじかれた打球は、高々と舞い上がって右翼席に飛び込んだ。思いがけない一発だった。さらに中田には四回に左前打、八回に左中間席へのソロ弾を許して降板となった。
ただ、無駄に球数が増えてしまう傾向が続いていた「悪癖」が改善されてきたことは確か。「それが唯一ポジティブな部分。試合に負ければポジティブなことはないものだけどね」。終わったことは戻らない。リーグ戦再開後の次回登板で、この悔しさを晴らす。