坂帳消しV打!失策もなんくるないサー

 「阪神6-1中日」(10日、沖セル)

 ミスを引きずったままでは終われない。見せ場で示した意地が、打線に火をつけた。2試合目にして今年最後の沖縄での一戦で、阪神・坂が汚名返上の一打を披露。勝利へ導き、オリオンビールの匂い漂うスタンドを、お祭り騒ぎに仕上げてみせた。

 「絶対に打とうと思っていた。(失策で)スタンリッジにも申し訳なかった。球数を増やしてしまってたので」

 四回だった。1死一、三塁から打席に立つと、追い込まれながらもフルカウントからの6球目の直球を逆らうことなくはじき返し、左前に運ぶ先制の適時打を放った。三回には2死満塁の好機を逃していただけに、価値ある一打となった。

 「守備でエラーをしてしまっていたので、あの場面ではどんな形でもランナーをかえしたいと思っていました」

 この打席に懸けた。二回と三回の守備で、いずれも無死から失策を記録して先頭打者に出塁された。失点にはつながらなかったが、流れを渡しかねなかったミス。萎縮(いしゅく)してしまいそうな展開の中、ベンチで和田監督から「もう一個エラーしてこい」と“ゲキ”を飛ばされていた。それが結果的に適時打につながった。

 お立ち台に上がる予定はなかったが、西岡に呼ばれると「エラーをしてすいません」と謝罪。これで5日の広島戦から、5試合連続安打。ミスをしても取り返す。日に日に存在感が増してきた。

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