阪神・西田適時打も“笑撃”の賞なし
「フレッシュ球宴、全ウ1‐7全イ」(18日、秋田)
若虎が東北の地で躍動した。全イースタンに大敗したが、全ウエスタンの阪神・岩本輝投手(20)、ドラフト5位・金田和之投手(22)=大院大=が2イニングを無安打リレー。西田直斗内野手(20)がチーム唯一の適時打を放った。最優秀選手は、加藤翔平外野手(22)=ロッテ=が獲得した。
西田の初球宴は“笑撃”で幕を閉じた。「絶対もらったと思いました。打った瞬間に。ベンチに帰ってきて、みんなにも言われましたから」
「9番・一塁」で阪神勢でただ1人先発出場。2点ビハインドの六回、1死三塁から伊藤の直球を捉えた。鋭い打球が一、二塁間を抜けて、追撃の適時打となった瞬間、頭に浮かんだのは優秀選手賞と賞金50万円だった。
「ほぼ高校時代」という一塁の守備も無難にこなし、フル出場。後は試合後のセレモニーで名前を呼ばれるのを待つのみだった。ユニホームも着替えて準備万端。次々と受賞者が発表され、優秀選手も残すは1人。周りの選手も西田に視線を送る。だが、最後に呼ばれたのは東浜だ。
ぼう然とする西田。その姿を見て、ウエスタンナインは大爆笑。「まだあるぞ」と声をかけられ、MVPに淡い期待を寄せたが…。
敗れはしたものの、主役級の“存在感”を見せた。「目立ちましたね。ちょっとでも覚えてもらっていたら」。持ち前の打撃はもちろん、散々イジられた西田の笑顔を、秋田のファンはきっと忘れない。