ナメるな!新井トドメの「一番搾り」弾
「巨人0‐4阪神」(2日、東京ド)
気分良く引き揚げる阪神・新井に、強烈な祝福が待っていた。東京ドームの関係者口を出ると、岡田彰布元監督(デイリースポーツ評論家)とばったり。あいさつに駆け寄ると…。
岡田「おう。お前、あそこで歩かされんようじゃ、大したバッターやないなあ」。
新井「そ、そ、そうですよね…」
ま、参ったなあ。新井はそんな面持ちで、バスに乗り込んだ。
九回。マートンの適時二塁打の直後、2死二塁。次打者は守備固めで6番に入る俊介だったが、巨人バッテリーは、前打席併殺打の新井と勝負。岡田氏に言わせれば“ナメられた”打席で意地を見せた。
3ボール1ストライクから真ん中のスライダーをフルスイングした打球は、左翼席上段の「キリン一番搾り」の看板を直撃。「会心」と振り返った特大アーチで勝負を決めた。「次(九回裏の巨人打線)が3番からだったから、何とかもう1点と思っていた。最高の結果になって良かった。看板直撃?カープ時代に桑田(真澄)さんから打ったかな」。
副賞は100万円とビール1年分。球宴でMVP、敢闘賞に輝き、臨時収入はこの2週間で500万円…。真夏のボーナス弾が、負けられない一戦ではじけた。「自分たちはチャレンジャー。思い切りぶつかっていきたい」。巨倒の味わいは、プライスレス。夏のビールはたまらないが、秋の美酒こそ譲れない。