新井、またまたサンデー晋ちゃん援護!

 「巨人0‐7阪神」(4日、東京ド)

 サンデーお兄ちゃんだ。負ければ自力優勝が消滅する崖っぷちの日曜日。阪神・新井が泥くさく先制点をたたき出した。

 「食らいついていった。いい投手だし、どんどん振っていかないとやられるから」。菅野の立ち上がり。初回2死一、三塁で打席が巡ると、体勢を崩しながら外角スライダーを右前に運び、藤浪を援護した。

 サンデー晋ちゃんが投げれば、めっぽう強い。藤浪が登板した試合は50打数19安打。打率・380、2本塁打、9打点。「どの投手でも変わらない」と、新井は因果を否定する。確かに、藤浪というより、サンデーに強い男だ。日曜日は64打数26安打。打率・406、4本塁打、13打点と驚異的。打率、本塁打は、曜日別でダントツトップの数字が残る。

 思い起こせば、あのハプニングもサンデーだった。交流戦最終日の6月16日。楽天に敗れた夜、仙台で暮らす旧友に誘われ、地元で有名なハンバーグ店に出掛けた。にぎわう店頭。そこに縦じまを身にまとった若いカップルが通りかかった。観戦帰りの虎党。しかも、25番のリストバンド…。

 男女はすぐに私服姿の新井に気付いた。気を利かせた旧友が「一緒に写真でも!」。ところが…。女性は首をぶるぶる横に振り、東北なまりで口をとがらせた。「負げたから…」。その日、新井は2安打。それでもチームは完封負けで交流戦を3連敗で終えていた。ほろ酔いの2人はうなだれながらその場を去った。

 「あの…写真は?」。あっけにとられる友人を制し、新井は息を吐いた。「これぞ、タイガースファン」。ツーショットの思い出なんて要らない。欲しいのは、阪神の勝利、新井の一撃…。

 九回にダメ押しの右犠飛を放ち、この日2打点。通算1019打点に達し、掛布雅之(歴代37位)の記録に並んだ。「そう聞けば、客観的にすごいなと思う」。あと1打点でミスタータイガースを超えるが、まだまだ通過点に過ぎない。

 「一戦一戦、やるしかない。可能性がある限り、食らいついていく」。得点圏打率・347と勝負強いサンデーお兄ちゃんが、首位巨人の背中を追っ掛ける。

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