藤浪防いだ!江夏氏以来46年ぶり初G倒
「巨人0‐7阪神」(4日、東京ド)
巨大戦力を擁し、首位をひた走るチームの前に、高卒ルーキーが立ちはだかった。阪神・藤浪晋太郎投手(19)が初めて伝統の一戦に登板し、6回無失点で7勝目を挙げた。チームの高卒ルーキーで巨人戦初登板初勝利は67年の江夏以来で、先発での勝利は初めての快挙。ゴールデンルーキーが自力優勝の可能性をつないだ。
大きな1勝、そして大きな1歩だ。初めて足を踏み入れた「伝統の一戦」という超空間で、最高の輝きを放った藤浪。チームの命運を担った右腕の背中が、いつもより大きく、そして雄々しく、マウンド上で映えた。
「ここで負けるとマジックが点灯するという意味で、気合も入っていた。ここから何としても(首位・巨人に)追いつくという気持ちで投げた」
藤浪が「独特の雰囲気」と称した一戦。「力勝負をしてこい」。中西投手コーチの言葉に背を押され挑んだ勝負で、この試合に懸ける強い思いが一気にはじけた。
初回に1点の援護を受けるが、二回以降は巨人先発・菅野も立ち直る。リードはわずか1点。その重圧の中、藤浪も再三の危機を迎えた。
五回無死二塁では「1点を取られると、流れが向こうに行ってしまう。しっかり気合を入れて投げた」。古城を三振、菅野を二飛に打ち取り、最後は長野を空振り三振に仕留める。続く六回1死一、二塁では村田、ロペスを抑え、得点を許さない。危機を脱するたび、自然とガッツポーズが出ていた。
6回6安打無失点で今季7勝目。阪神で高卒新人の巨人戦初登板勝利は67年の江夏豊氏以来、46年ぶり。初先発勝利は球団史上初の快挙と、またも長い球団史に名を刻んだ。和田監督は「初回の1点を守り抜いて、粘り強く投げた。舞台が大きくなればなるほど、力を発揮する」と大絶賛だ。
その新人離れした空気を、同じ新人の菅野は体感していた。今年の球宴。「疲れてない?」と尋ねる菅野に、藤浪は「(シーズンは)これからなので」と即答する。
その先にある勝負を見据えた言葉に「思っていても言えることじゃない。それだけ自信があるんだと思う」と菅野。明暗を分けたのは、わずかな意識の差かもしれない。
前回登板の4回3失点KOから中9日。見事に修正した右腕に、中西コーチも「いいものを見せてもらった。いろいろ考えないと」と、今後の巨人戦登板も示唆した。
「まだまだタイガースはあきらめてないですし、これから優勝を狙いにいくので、応援よろしくお願いします!」。ヒーローインタビューで虎党に誓った言葉。巨人とは6・5差。だが、それは夢や奇跡などではない。信じるに足る確かな力を、19歳右腕は示したのだから。
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