西岡 気を吐く猛打賞も初回の走塁反省
「ヤクルト9‐0阪神」(15日、神宮)
阪神の希望の光は西岡だけだった。バレンティンに新記録弾を浴び、2戦連続の完封負け‐。それでも1番・西岡が小川から3安打猛打賞。6試合連続のマルチ安打で、打率は6月4日以来となる3割に再到達した。
初回、小川が投じた初球148キロの直球を鮮やかに流し打って左中間二塁打で出塁。三回2死走者なしの第2打席では右前へクリーンヒットを放ち、八回先頭の第4打席では内角スライダーに詰まりながら、しぶとく右前に落としてみせた。
13度目の猛打賞で、9月の月間打率は・488。チームが失速する中で1人、気を吐いているのが現状だ。それでも本人の口からこぼれてきた第一声は、好調な打撃についてではなく「初回に福留さんの打球でかえらないといけなかった。初回に点を取っていれば展開は変わってたかもしれない」という“反省”だ。
初回1死三塁から福留の浅い中飛でスタートを切ったが、吉竹三塁ベースコーチはストップをかけた。「川崎が前に出て捕って、高く上がったのなら可能性はあるけど。普通に送球が来ればアウト。冒険はできない」と説明し、西岡も「そこはコーチの判断。チームの方針もあるので」と異論を唱えるつもりはない。
鳥谷の状態も良いだけに難しい判断だが、先制点を奪えば勝てたかもしれないゲーム。安打を打っても勝たなければならない。唇をかむ西岡の姿に、その揺るぎない信念がにじみ出ていた。