メッセまた無援…最多150球9K報われず
「広島2‐1阪神」(17日、マツダ)
7回、来日最多150球の熱投も、勝利に結びつかなかった。試合後の通路。スタンドの広島ファンの歓声と阪神ファンの怒声が届いて交錯する中、阪神・メッセンジャーは無念の表情で口を開いた。
「今日はもう戦い続けるしかなかった。150球投げたけど、そういう感じはしなかった。投げ終えてから、球数を聞いて驚いた。内野安打2本で1点取られた。そういうこともある」
メッセンジャーが振り返ったのは同点の四回。エルドレッドの内野安打から2死満塁とされ、打席に8番・石原を迎えた。カウント2‐2から低めに投げ込んだ、こん身の151キロ直球。完全に打ち取った当たりだったが、高く弾んだ打球は無情にも右腕の頭上を越えた。これが二塁への適時内野安打となり不運な形で先制点を与えた。
だが、六回に勝利への執念をバットに示した。無死一、二塁で迎えた打席で「キラが前に出てきたのが見えた。犠打をミスして併殺打になるより、打った方がいいと切り替えた」と自らの考えでバスターを敢行。1死二、三塁に好機を広げ、その後の同点につなげた。
8月25日の中日戦(ナゴヤドーム)を最後に、白星から遠ざかる。過去4試合、計27イニングで失点はわずかに「4」。好投を続けるが、打線の援護に恵まれず12勝目が遠い。もう首脳陣も嘆くしかなかった。
指揮官が「メッセがずっと何試合もいい状態で、打線の援護があればもう2勝、3勝プラスできるような状態だったんだけど…」と言えば、中西投手コーチも「ずっといい。今日も球数を投げたけど良かった」と助っ人右腕の好投を称えた。
ただ、この日の9三振を加えて奪三振数は計165に。トップを走り、タイトルには大きく前進した。それでも今欲しいのはウイニングボールだ。「自分のできること、自分の仕事をするだけ。徐々に勝ちも付いてくると思う」。次の登板まで心から笑えない日がまた続く。メッセンジャーは懸命に前を向いた。
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