中村GM再渡米!李大浩資金で大砲獲り
9年ぶりのリーグ優勝奪還を目指す来季に向け、阪神が今オフの補強方針をシフトチェンジする。最有力候補だったオリックス・李大浩内野手(31)の調査を打ち切る方針を固め、先日には中村勝広GM(64)が新外国人調査のために再渡米した。本塁打量産を期待できる右の三塁手を理想に掲げ、不退転の決意で長距離砲獲得に臨む。
合言葉はノーモア・コンラッドだ。阪神助っ人史上初となる打点ゼロでシーズンを終えた不良債権はもういらない。心の底から欲してやまないのは、懸案の本塁打不足を解消してくれる長距離砲。広い甲子園の器をモノともしない優良物件だ。
新外国人野手獲得において、最も判断が難しいとされるのが、日本野球への適合性と対応力の見極め。それゆえ、阪神はオリックスで2年間、長距離砲としても、計算できる打者としても申し分ない実績を残している李大浩を獲得候補の最上位に挙げていた。
事実、今季途中までは他球団に移籍する可能性があるという情報が存在していた。だが、ここにきてオリックス残留の意思を固めたとの精度の高い情報を入手し、獲得調査の打ち切りを経て、中村GMが再渡米した。
8月中旬に2週間、米国各地で新外国人候補選手をリサーチした中村GM。同27日に東京都内のホテルで開かれた編成会議では調査報告もした。今回の再渡米には、新たな幅を持って候補選手を見直し、多角的に分析しようという狙いもある。同時に、もう失敗はできないという裏返しでもある。
資金は潤沢だ。李大浩獲得に向けて用意した2年7億円規模の準備金がある。球団関係者は「理想は右の三塁手」と話しているが、候補、調査の範囲を三塁だけにこだわらず、一塁、外野も視野に入れながら、長距離アーチスト候補を絞り込む予定だ。
投手は当初の予定通り、韓国・サムスンの呉昇桓(オ・スンファン)で一本化を図っており、韓国歴代トップのセーブ数を誇る最速157キロ右腕に守護神を託す腹積もりだ。
すでに来季の日本球界挑戦を決めた呉昇桓争奪戦には当初、阪神、オリックス、中日、楽天の4球団が参戦していたが、これまでにオリックスと中日が撤退を決めた。楽天との一騎打ちになりかけた矢先、ソフトバンクが担当者を韓国に派遣し、獲得調査に乗り出したが、韓国内では阪神優勢を示す声が多い。
長距離砲と守護神の獲得。9年ぶりのリーグ制覇に欠かせないピース。福留、西岡、日高を獲得した昨年オフに続いて、中村GM以下フロント陣が総力を結集する。