和田監督が徹底指導 良太改造に本腰
成功の扉を開かせる‐。阪神・和田豊監督(51)が29日、新井良太内野手(30)の本格的な打撃改造に乗り出した。甲子園での秋季練習では約35分間のマンツーマン指導。開幕4番を張った和製大砲の進化に向け、虎将が打撃のエキスを注入する。
遠くに飛ばすたぐいまれな才能をこのまま眠らせておくわけにはいかない。しかし、今の打ち方では、目の前に立ちはだかる壁を乗り越えるのは難しい。和田監督が腰を上げ、新井良の打撃改造に着手した。
午後のフリー打撃を終えると、指揮官はケージに入り、テークバックに入る両腕の動かし方に変化を加えた。これまでは加速度的に右肩横まで引き上げていたが、ボールを投げる時と同様、動きに流れを生むよう求めた。
和田監督「今までは、プロの世界で結果を残すために取り組んできた打ち方。これからはレギュラー張って、数字を残すための打ち方を覚えないと。今のままでは上のレベルにはいけない。3歩進んで2歩下がるじゃないけど、もう一回基本に戻って、土台を作り直そうということ」
片岡前打撃コーチと二人三脚で作り上げた現在の打撃フォーム。一度、体に染みついたものを部分的にでも解体し、新しいものを体得するのには相当な時間と根気を要するが、野球漬けの秋季キャンプで素地を整える方針だ。
マンツーマン指導を受けた後、新井良は古里スコアラーにビデオ撮影を依頼し、改良を加えた新フォームの流れ、動きを自分の目で確認し、さらにスイングを繰り返した。
順風満帆で進むはずがない新境地への挑戦。手の皮がむけ、マメをつぶしてもバットを振り続ける。体で覚えるより近道はない。今を転換点とし、新井良が殻を破る。