ドラ1岩貞13K完投も大学日本一夢散る
「関東大学選手権、横浜商大1‐2上武大」(31日、横浜)
日本一の夢はプロの世界で‐。阪神がドラフト1位指名した岩貞祐太投手(22)が31日、明治神宮大会出場を懸けた関東大学選手権初戦の上武大戦に先発登板。だが9回2失点、13奪三振、154球の熱投も実らず敗戦を喫し、大学最後の試合を終えた。
1点を追う九回裏の攻撃。岩貞は三塁ベンチを出て、ファウルグラウンドで延長戦へ備えての投球練習を始めた。味方の反撃を信じて…。だが、思いは届かず最後の打者が左飛に倒れると、無念の表情で天を仰いだ。
「一番(優勝への)気持ちを持って臨む大会になる」と話していた岩貞。それが力みにつながったのか。初回に連打で無死一、三塁の危機を招き、二ゴロの間に先制点を献上。なお1死三塁から中犠飛で2点目を失った。
課題の立ち上がりで失点。それでも、ここで崩れないのがドラ1左腕の力。二回以降は立ち直り、中盤以降の危機も粘りの投球で追加点を許さなかった。
最速は146キロ。奪った三振は13個を数えた。だが154球の熱投も、あと1点が届かず敗戦。大学日本一を懸けた戦いを終えた。
佐々木監督は「精神的にも強くなっている。あいつ以外にいない。(投手を)つないでいこうとは考えていなかった」と、全幅の信頼を寄せて送り出したエースをねぎらった。
見守った北村スカウトも「工夫しながら投げていた。(プロで)十分できる」と評価する。試合後の囲み取材が中止となり、無言で球場を後にした岩貞。この悔しさを、プロの舞台でぶつける。