呉昇桓争奪戦は阪神優勢!セ志望判明
虎に追い風だ。阪神が来季の守護神候補として獲得を目指し、すでに日本球界移籍を決断している韓国・サムスンの呉昇桓(オ・スンファン)投手(31)が、セ・リーグ志望を抱いていることが6日、分かった。現在、獲得意向を示しているセ球団は阪神のみで、争奪戦はタテジマ有利の情勢だ。
海を隔てた異国の地から、猛虎の背中を押す強烈な追い風が吹いた。9年ぶりのリーグ優勝に向け、守護神候補に一本化した最速157キロを誇る呉昇桓。すでに日本球界移籍を決断した右腕が、セ・リーグ志望を抱いているという朗報が舞い込んだ。
呉昇桓と親しい関係者が証言した。「スンファンはかなり前から、日本に行く決心を固めてます。しかも、プレーするのなら、注目度の高いセ・リーグでやりたいという希望を持っています」。阪神にとって甘美なフレーズが心地よく鼓膜をくすぐる。
争奪戦に名乗りを上げていたのは、阪神をはじめ、中日、楽天、オリックス、ソフトバンクの5球団。ところが9月下旬、中日とオリックスが相次いで撤退を決め、最大のライバルは潤沢な資金力を誇るソフトバンクに絞られ、一騎打ちムードが漂っていた。
呉昇桓が希望するセ球団で現在もなお、獲得意思を示しているのは阪神だけ。韓国球界内でも、9月上旬に編成トップの中村GMが視察に訪れた阪神を評価する声が多く、フロント陣の誠意が実を結ぶ可能性が膨らみつつある。
呉昇桓の国外移籍に関しては、保有権を持つサムスン球団の了承を得る必要性があった。だが、4日付の韓国紙・中央日報は、「選手の意向を考慮し、呉昇桓が年俸をたくさん受けるところに送るべきではないだろうか」と海外移籍を容認するソン・サムボン・サムスン団長の談話を載せている。
阪神は今後、サムスンが呉昇桓の保有権を手放すのを待って、本格交渉に突入する意向。呉昇桓サイドは年俸2億円以上の複数年契約を望んでいるとされるが、すでに本社サイドから後方支援の確約を取り付けており、資金面での問題はない。
旗色は有利に傾いた。最大の敵と目されたソフトバンクを払いのける知己の言葉。交渉解禁の合図を待って、阪神が呉昇桓の快速球に負けない熱い思いをストレートにぶつける。