新井貴、来季誰が来ても「全試合出る」

 阪神・新井貴浩内野手(36)が8日、右肩の再検査を受けた福岡から帰阪。球団が獲得を目指している新助っ人とのポジション争いについて、デイリースポーツに語った。入団秒読みとなっている米大リーグナショナルズのマウロ・ゴメス内野手(29)は一、三塁を守る。それでも、新井は「全試合出る」。6年前にFA宣言した節目の日に気持ちを新たにした。

 新助っ人?知りません‐。新井は情報を遮断していた。スポーツ紙を愛読してきた男が、ある日を境に新聞と距離を置くようになったという。夕方、博多から神戸に戻ったお兄ちゃんを直撃した。

 「夏を過ぎてから、新聞を見ないようにしようかなって。理由はいろいろと…。補強の話は、周りの人から聞いていたけど、詳しくは知らないので」

 今オフ、球団が掲げた補強ポイントははっきりしていた。チーム本塁打数は12球団最少の82。反発力の物足りなさを解消するため、一発を期待できる内野手に照準を定め、ナショナルズのゴメスで一本化した。かつて同内野手を調査した他球団の渉外担当者が「一塁の守備しか見たことがない」と証言。実際は三塁もこなすが、球団が新井にとって代わる新大砲の調査を続けていたことは、明白だ。

 「去年(のオフ)は、コンラッドが来たけど、肩さえ治れば競争はないと思っていたし、実際に(競争は)なかった。来年も、普通にやっていれば競争はない。誰が来ても全試合出るつもりでやる」

 新井は140試合に出場し、打率・267、15本塁打、70打点を残した。打点、本塁打はマートンにつぐチーム2位。得点圏での打率・302は同トップだったが、本人は不本意でしかなった。

 「尻すぼみになってしまった。球宴までは自分の形ができていたので、それを1ランクレベルアップして、1年間続けられるようしたい。結果がすべての世界。体は元気なので、グラウンドでその姿を示すしかない」

 6年前のこの日、11月8日にFA宣言。涙で広島に別れを告げた。優勝するために、阪神にやって来た。契約最終年の来季を、37歳で迎える。背水という言葉はまだ使わない。

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