掛布DC、北條へ“過去との決別”指令
「阪神秋季キャンプ」(9日、安芸)
過去の栄光は捨てなさい!阪神・掛布雅之DC(58)が安芸秋季キャンプ第2クール初日の9日、来季2年目を迎える北條史也内野手(19)に珍指令を出した。もっと、ぽっちゃりしろ!バックスクリーン弾を忘れろ!さもなければ、レギュラーにはなれない!掛布DCは所用のため一時、安芸を離れ帰阪。11日からは指導の場を鳴尾浜へ移す。
甲子園を沸かせたスター選手には、ガツンと頭をたたかれるような指令だ。「彼が、すごくいいものを持っていることは間違いない。ただ、タイガースの野球をやる上で、甲子園でバックスクリーンに打ったようなホームランバッターを目指していたら、一生レギュラーにはなれない」。曇天の安芸で掛布DCの視線が最も熱く注がれたのは北條だった。
通常メニュー終了後の特打で、打撃ケージの後ろではなく、真横に構え、そのスイングに目を凝らした。
光星学院では2年春から4季連続甲子園出場。3年夏には4本塁打を放った。そのなかでも準決勝の東海大甲府戦で放った2打席連続のバックスクリーン弾は鮮烈だった。だが、プロ1年目の今年は1軍出場なし。ウエスタンでも打率・199、1本塁打、20打点だった。掛布DCの訓示は、高校までの、過去の栄光にサヨナラすること、だった。
特大弾の残像を追い掛けたままではプロでは通用しない。説いたのは現実論だ。「7キロくらいやせたというからね。体を大きくすることは大事。ある程度大きくしないと、1年間戦えない。ぽっちゃりしているくらいのほうがいいんだ」。本塁打を打つための増量指令ではない。プロで、1軍で、レギュラーで、1年間戦える体をつくりなさい。ボールを遠くへ飛ばすことよりも、まず目指すべきものがある。
「(掛布DCの言葉は)分かりやすかった。自分の形を見つけようと思う」。ミスタータイガースの道しるべを胸に、北條が自分探しの旅に出る。
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