掛布DC、新人野手3人を“放し飼い”

 阪神の掛布雅之DC(58)が10日、鳴尾浜で行われた新人合同自主トレを視察した。室内練習場での打撃練習を観察したミスタータイガースは、新人野手3人に合格点を与え、2月の春季キャンプはあえて指導しない方針を示唆。自身も高卒1年目から1軍で結果を出した経験を重ねつつ「結果が形をつくることもある」と“放し飼い”にする構えだ。

 掛布DCの表情から思わず笑みがこぼれた。室内練習場で目の当たりにした横田、陽川、梅野の打撃練習。思い描いていた以上のスイングに自然と声も弾んだ。「3人ともバランスがいいね。早く外で打つのを見てみたい」という言葉には確かな手応えがにじんでいる。

 約1時間、室内練習場で行われたティーとマシン打撃を八木2軍打撃コーチらと一緒に視察。快音を響かせる姿をじっくりと見極め「形は悪くない。2年目、3年目の若手には刺激になる。(陽川、梅野は)ペナントが始まるときに、新人たちも(1軍にいる)可能性はゼロじゃない」と戦力になり得る存在と判断した。

 だからこそ横田も含め、ルーキー3人には「八木とも話をしたけど、今の形のまま実戦に入っていけたら。あれこれ言う必要はない」と言う。アマ時代に築き上げた打撃フォームのまま実戦に入る‐。掛布DCも現役時代、高卒1年目のオープン戦で18打数8安打と目を見張る結果を残した。その経験則を踏まえ「いい結果が出ると、自然といい形になっていったりもするんだよね」と説明した。

 阪神に限らず、他球団でも入団1年目の選手にキャンプ段階からメスが入り、長所を失う悪循環に陥るケースがある。才能豊かな若手を見れば、手をつけたいと思うのが指導者。そこをグッと我慢し、プロでも通用するか、見極めてからでも遅くはない。

 もちろん「実戦で形が崩れたり、結果が出なくなってきたときはアドバイスをするよ」。選手の状態を見極めながら、指導が必要と判断すれば惜しみなく力を注ぐ方針だ。

 現時点でルーキー3人がいい形でスイングしているだけに「今の段階では、どちらにしても僕が変にどうこう言う必要はない」と言い切った。カベにぶち当たるか、それとも1軍への階段を一直線に上がっていくか‐。春季キャンプはまずルーキーを“放し飼い”にするところから、スタートする。

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