福留、右翼渡さん!14年は全試合出場だ
阪神・福留孝介外野手(36)が13日(現地時間12日)、米ハワイ州ホノルルで自主トレを公開した。移籍1年目の昨年は相次ぐ下半身の負傷で、わずか63試合で打率・198に終わった。巻き返しへの意欲は強く、台頭してきた若手を競り落として全試合でライトを守ることを誓った。
真っ青な空で輝く太陽に照らされ、鮮やかに輝く緑の芝生。福留が常夏の南国を力強く駆け抜けた。
終始、下半身の不安を感じさせない動きを見せた。ケガに泣いた13年の悔しさは、プレーで返す。プロ16年目のベテランは、不動の右翼手の座を築くため、着実に準備を進めている。
「まだ万全にやれて、名前が出ている選手に負けるのはよくない。負けないように頑張りますよ。数字(個人成績)どうのこうのよりもゲームに出て、勝つことにこだわっていければいい」
昨季は負傷者の穴を埋めた俊介、昨年の秋季キャンプで台頭した伊藤隼、緒方…。自らの座を奪おうとする若手にスキは見せない。
「全試合に出られるようになれば一番いい。プロだからグラウンドに立って試合に立ってなんぼだからね」と中日時代の03年以来11年ぶりの全試合出場に照準を定めた。
ハワイでは、米大リーグ・マーリンズなどメジャー3球団でコンディショニングコーチを務めた友岡和彦氏(42)の指導を受け、異種目のアスリートとランニング中心のメニューを行っている。
この日は午前中にウエートを行い、午後からは400メートル×2本、200メートル×4本、100メートル×6本、50メートル×8本を立て続けに走った。
6日のハワイ入りから3勤1休のペースで、午前9時から午後4時まで7時間のトレーニングを敢行。バットは持参していない。昨年5月に手術を受けた左膝など、不安を抱える下半身を徹底的に鍛え上げている。
「去年はケガが続いたから。ケガをしない体をつくるということを大前提でやっている」。16日までハワイで体をつくり、帰国後に下半身を仕上げて、バットを握るつもりだ。
昨季は巨人に独走を許して2位に終わった。その責任は誰よりも感じている。その宿敵とは開幕カードで対戦する。「いいモチベーション。いい勢いになる材料にもなる」。照りつける日差しの下、褐色に焼けた表情を引き締めた。