能見のマーチできた!自ら要望し実現
阪神タイガース私設応援団で運営されるヒッティングマーチ委員会が、能見篤史投手(34)のヒッティングマーチを作成したことが13日、分かった。能見自身の強い要望で実現。阪神では野田浩司氏以来、2人目となる投手専用曲が完成した。
虎のエースに心強い援軍だ。2014年、左打席に入る能見に専用のヒッティングマーチが流れる。9人目の打者として、自身の曲に後押しされながら、勝負を決める一打を放つ場面が見られるかもしれない。
きっかけは、能見自身の熱い思いだった。昨季のオールスター後、ヒッティングマーチ委員会の関係者に漏らしたという。
「自分のヒッティングマーチを作ってほしい。バッターボックスに立ったら投手じゃないので。打者として認めてほしい」
エースとしての役割を果たすことはもちろん、打撃への意識も高い。甲子園での試合前練習が終わると、毎日のように室内で打撃練習に取り組んだほど。何より「9人目の打者」として、チームの勝利に貢献することを常に考えている。
「打者・能見」を印象づける試合があった。昨年5月6日の巨人戦。東京ドームの右翼席へ、プロ初本塁打を放り込んだ。もともと打撃への意識が高かった能見。球宴後に専用曲作成を強く希望したのも、この一打がきっかけになったのかもしれない。
阪神の投手に専用のヒッティングマーチが作られるのは、極めて異例だ。同委員会が作ったのは、1988年から5年間、阪神に在籍した野田浩司氏のものだけだという。約20年ぶりの、投手の個人マーチとなる。
期待の表れや!
ヒッティングマーチ作成のハードルは、年々上がっている。1軍で誰もが認める活躍をしなければ実現しない。同委員会関係者は「いまや、ファンの誰もが能見選手のバッティングに期待していますからね」。それだけ能見のバットに期待が寄せられている証拠だ。
「9番・ピッチャー能見」とコールされた後、球場に鳴り響くヒッティングマーチ。能見の打棒を後押しする。