育成・伊藤和、由伸斬り!評価急上昇

 「オープン戦、阪神2-3巨人」(9日、甲子園)

 どん底からはい上がってきた。阪神の育成選手・伊藤和雄投手(24)が9日、巨人とのオープン戦(甲子園)で2回無安打無失点で5三振を奪う快投を見せた。最速148キロの直球を主体とした攻めの投球で、首脳陣の評価は急上昇。かつての背番号17が支配下登録選手の復帰へ、大きく前進した。

 伝統の一戦。プレ開幕戦。注目が集まるマウンドで、背番号117が荒々しく寒風を切り裂いた。期待を抱かせる38球。伊藤和が巨人打線をねじ伏せた。

 「直球はいい感じできている。空振りを取れているので、しっかり投げれば十分通用するのかなと思った」

 出番は六回だった。1軍の公式戦では一度も経験がない聖地のマウンド。「結果を出そうと意識して腕が振れなかった」。重圧に緊張が重なり、制球が定まらなかった。それでも指にかかった直球は一級品だった。

 無死一塁から坂口は直球、橋本はチェンジアップで空振り三振。その後は2四死球を与えて2死満塁とするが、ここで圧巻の投球を見せた。代打・高橋由に全て直球で挑み、4球目の高めの141キロで空を切らせた。

 七回無死も藤村を直球で空振り三振。続く小林の3球目は、この日最速の148キロを記録。2死後は鈴木に振り逃げで出塁を許し、最後は片岡を二ゴロに仕留めた。

 2回無安打無失点。3四死球を与えたが、5三振は全て空振りで奪った。今キャンプは安芸スタート。7日に1軍合流するまで実戦6試合に登板、計14回で23三振を奪った実力は本物だった。和田監督も「直球で空振りを取れていた。あとは制球。球自体は1軍で通用するものがある」と賛辞を並べた。

 かつては背番号17を背負った右腕だった。2年目の13年は右肘痛もあり、2軍で12試合に登板して防御率11・57。オフに育成契約に切り替わった。

 「正直、悔しかった。なったものは仕方ないので、絶対に取り返すつもりだった」

 年明けには元広島監督で、母校・東京国際大の古葉監督の元へ向かった。「まだユニホームを着させてもらって、チャンスはあるんだから頑張れ」。恩師の言葉に心を奮い立たせた。

 ただ、ここはまだスタートにすぎない。表情は崩さずに次のチャンスへ目を向けた。「きょう投げたことで、次はもっと落ち着いて投げられると思う」。どん底からはい上がった男は強い。

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