呉昇桓、開幕まで変化球2種類隠す
阪神の新外国人・呉昇桓投手(31)が20日、実戦で投げていない2つの変化球を隠したまま開幕を迎えることを示唆した。開幕までの実戦は21日からのオリックスとのオープン戦3連戦(京セラ)だけ。新守護神はベールに包まれたまま本番を迎えることになりそうだ。チームはDeNA戦(横浜)が雨天中止となり、指名練習後に帰阪した。
開幕まであと1週間。オープン戦は残り3試合となった。この段階まで来れば少しでも多くの情報を収集しようとする他球団に、手の内を明かす必要はない。呉昇桓がほくそ笑んだ。
「まだ全ての変化球を投げていない。(オープン戦の)残り試合で全ての球種の確認をするということはない。捕手のサインが出れば投げるとは思うけどね」
新守護神の持ち球は、カットボールのように速く小さく曲がるスライダー、大きく曲がるスライダー、カーブ、スプリット。セ・リーグ球団のスコアラーによると、キャンプのブルペンで投げていたが、ここまでの実戦で投げていない球種は、大きく曲がるスライダーと、カーブだという。
呉昇桓にとっては“ギア”を隠したまま開幕を迎える方が、メリットは大きい。各球団のスコアラーからは選手へ球種など細かい情報が伝えられている。韓国で通算277セーブという実績を残した新外国人ということもあり、警戒度も高い。
そんな状況だけに2つの変化球を隠すことは、球筋を見られてない点や、打者に意識させるという点で優位に立てる面もある。開幕後の勝負どころまで封印する可能性は高そうだ。
この日はDeNA戦が雨天中止となった後、横浜スタジアムで行われた練習には参加せず、横浜市内の宿舎から帰阪した。調整に誤算はない。今回の関東遠征では15、16日に初の連投を試すなど調整段階は進んでいる。
「順調にきている。(今の状態を)パーセンテージで表すことはできないけど、開幕はベストコンディションで臨めると思う」と自信を見せた。
日本球界の打者との対戦経験が少ないことについても「試合数が多くなく、打者の特徴が分からずにやってきた。でも、これから投げながら分析していきたい」と頼もしい言葉を並べた。真の実力を発揮しなくても結果を残している新守護神。全てのベールを脱ぐ日が待ち遠しい。