ゴメス虎の新助っ人記録の7戦連続安打

 「ヤクルト5‐2阪神」(4日、神宮)

 阪神の連勝が止まった。中盤以降にヤクルト・小川を追い詰めたが、好機で畳み掛けられず。ただ、敗戦の中で光もある。マウロ・ゴメス内野手(29)が八回に中前適時打をマーク。阪神で日本球界1年目の新外国人野手では2リーグ分立後、球団新となる開幕から7試合連続安打となった。4番の状態はいい。第2戦こそ打線が奮起して、ツバメを倒す。

 ゴメスが歴代阪神助っ人の記録を塗り替えた。2点劣勢の八回1死。走者を一、三塁に置いて4度目の打席が巡ると一振りで決めた。初球、ライアン小川の変化球をコンパクトに捉えた。打球は痛烈にセンターへ。三塁走者の大和を迎え入れ、1点差。今季初の神宮で左翼席に黄色い波をもたらし、同点、逆転の機運を高めた。

 これで3月28日の開幕巨人戦から続ける連続試合安打を「7」まで伸ばした。阪神で日本球界1年目の新外国人としてはバレンタイン、スペンサー、マートンの6試合連続をしのぎ、2リーグ分立後の最長記録。来季80周年を迎える球団史にマウロ・ゴメスの名を輝かしく刻んだ。

 「正直、記録のことはまったく考えていないんだ。とにかくチームの勝利に貢献したい。それだけなんだ」

 試合後、記録のことを問われると少し表情を緩ませながら、フォア・ザ・チームの気持ちを前面に押し出した。昨季最多勝の小川を崩し切れなかった。その悔しさが先に立った。

 「He is good!」。初対戦の右腕について聞かれると、3度そう答えた。「いい投手だということは分かっていたので甘い球が来れば打とうと思っていたよ。前の3打席で球数も見られたし、少しずつタイミングも合ってきていたから打てたけどね…」。初対戦の二回は空振り三振を喫したが、フルカウントまで勝負を急がなかった。六回もバットをへし折られ三ゴロに封じられたが、同じくフルカウントまで球筋を見定めた。オープン戦で苦心した外角の変化球を見極め、研究を尽くす手だてを、日々学んでいる。

 心強い援軍を招待していた。京セラドームでの中日初戦。3月終盤にドミニカから来日した実弟がスタンドから兄の姿を追っていた。夫人の出産に第1子の体調不良が重なり、来日が10日以上遅れた。宜野座キャンプ中に下半身の疲労がたまり、調整が滞った。妻とまな娘、故郷の景色を思うとさみしさも去来する。心を許す弟の来日が心の支えになっていた。

 今季初の神宮。やんやの歓声を浴びながら三塁側のフェンス沿いを引き揚げ、ささやかなマウロコールを浴びた。日本で本物になる。ゴメスが助っ人伝説の新たな扉を開いた。

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