ゴメス9戦連続H 虎助っ人最多タイ

 「ヤクルト8-15阪神」(6日、神宮)

 ゴメスが外角球に腕を伸ばすと、バットが鈍い音を立てた。乱戦の終盤八回。大和の2点適時打で1点差に詰め寄ると、4番は迷わず初球を狙った。一、三塁から、三遊間深くへのゴロで8点目をもぎ取った。会心でなくとも起死回生の内野安打。一塁を駆け抜け、お祈りのポーズで神宮の寒空を指さした。

 「打点を挙げるチャンスだったけど、余計なことを考えずに、打てる球を打とうと考えて打席に入ったよ。好調?特に自分でも要因は分からないんだ。全力で取り組んでいる結果じゃないかな」

 この日はことごとく、一塁と三塁に走者を置いた状況で打席が巡ってきた。二回は2死一、三塁で捕邪飛に倒れたが、七回1死一、三塁で左翼線に運ぶ走者一掃の適時二塁打。これで開幕からの連続試合安打は「9」となり、阪神所属の外国人としては06年のシーツの記録に並んだ。八回は同点打。九回にも右前適時打。来日初の猛打賞をマークした。

 チームメートのゴメス評は「ナイス・ガイ」だ。前日5日の試合前、三塁側のロッカールームでゴメスが今成のおでこをポンとたたいて、ほほ笑んだ。オープン戦で高打率を残したヒットメーカーが15打席ヒットから遠ざかっていた。「自分の記録はどうだっていいんだ」。フォアザチームを強調する助っ人の『おまじない効果』があったのか。最後は1点差で試合を落としたが、今成に待望の適時打が飛び出した。

 この日は5打数3安打4打点。5投手と対戦する総力戦で対応力の確かさを見せつけた。「日本で長くやっているマートンが投手の癖を教えてくれるから、助かっているよ」。マートンとともに、79年の球団史で最強の助っ人コンビとなれるか。ゴメスが日本でサクセスロードを歩んでいる。

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