ドラ6岩崎また救った!7回1失点

 「阪神4‐3DeNA」(9日、甲子園)

 またも救った。阪神のドラフト6位・岩崎優投手(22)=国士舘大=が7回1失点の好投。阪神では1937年の西村幸生以来となる、新人のプロ初登板初勝利から2戦2勝はならなかったが、価値ある熱投でチームを今季甲子園初勝利へ導いた。先発陣が打ち込まれる試合が続く中、ルーキー左腕が重苦しい空気を見事に切り裂いた。

 聖地のカクテル光線が、ドラ6左腕を鮮やかに照らした。間違いなくこの男もヒーローだ。プロ2戦目の岩崎が負の流れを断ち切り、またもやチームに勝利をもたらした。

 「1イニング、1イニングを投げ切ろうと思った。自分が投げた試合でチームが勝てたことが一番うれしい」

 初回2死一塁から迎えるはブランコ。昨夜、藤浪がまさかの逆転満塁弾を浴びた4番に真っ向勝負を挑んだ。直球2球で追い込むと、最後に135キロ直球を高めに投じた。捕飛に打ち取り、大事な立ち上がりを無失点で切り抜けた。

 マウンド上で表情を変えない左腕が、悔しさをにじませたのは四回。1死無走者で再びブランコ。カウント2‐2から外寄りの変化球を拾われて、左翼席へ運ばれた。「得意なところに投げてしまった」と、同点となるプロ初被弾に視線を落とした。

 そこから崩れないのが持ち味だ。毎回のように走者を背負いながらも、五回以降は冷静にアウトを重ねた。「試合の流れの中で大事な回」と位置づけた六、七回。もう一度気合を入れ直し、プロ最長の7回を投げ抜いた。

 全国とは無縁だった学生時代。初めての大舞台はプロ。甲子園だった。3月9日、巨人とのオープン戦。相手はセ界王者だ。さらに初めて味わう聖地の雰囲気に、平常心を保てなかった。

 「今まであんな緊張感の中で投げたことがなかったので、気持ちが浮ついてしまった」。一番対戦してみたかった阿部に何も感じないほど、大舞台にのみ込まれた。それでも、わずか1度の経験を力に変えた。「甲子園の経験が大きかった」と2日にプロ初登板初勝利を手にした。

 前夜、チームは悪夢の逆転負け。重圧のかかるマウンドを投げ抜いた。和田監督は「嫌な流れがあった中で、細心かつ大胆なナイスピッチングだった」と力投を称賛した。

 歴史的2勝目には届かなかった。それでも投壊を救った功績は、勝ち星に値する。防御率はリーグ2位の0・75。ドラ6左腕は投げるたびに、その輝きを増していく。

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