虎のAFOパーフェクトリリーフ
「阪神2-1巨人」(13日、甲子園)
劇的なサヨナラ打の前には、リズム良くマウンドを降りた阪神・安藤がいた。福原、呉昇桓との無安打継投を鮮やかに決めた3人斬り。「良かったと思います」。今季初勝利にも表情を崩さなかったが、価値ある白星となった。
延長十回だった。九回1死満塁で無得点に終わった直後でも、流れを渡さない。ロペスを右飛、阿部を中飛に打ち取り、坂本には5球目の直球で148キロを記録すると、最後は146キロ直球で空振り三振に仕留めた。
開幕前には先発でも登板し、調整面で苦しんだ部分があったものの、衰えを知らない36才の右腕。オフには刺激的な一夜があった。昨年12月、侍ジャパンの小久保監督らと岩手の盛岡でのイベントに参加。宿泊したホテルでの食事会では、野球談議に花を咲かせた。
「いろいろなことを聞かせてもらった。長く野球を続けるための話とか、心構えとか。これを生かさないと」と安藤。現役生活18年という代表監督からの言葉の重み。しっかりと受け止め、胸に刻んで新たなスタートを切っていた。
2試合連続で失点していたことを感じさせない、安定したピッチング。右肩上がりのベテラン右腕が、投手陣をさらに強固なものにしていく。