鶴岡が九回に魂の二盗阻止&好リード
「阪神1‐0広島」(29日、甲子園)
福留の劇弾、メッセンジャーの激投‐しびれる首位攻防戦の勝利を支えたのは、間違いなく阪神・鶴岡だ。
「メッセンジャーのボールが良かった。テンポもいいし、僕も乗せられましたね」。試合後は、初コンビの相棒をたたえた。快勝にも、表に出ようとしないところが、また心憎い。
八回にようやく奪った最少リード。あと1回をしのげば、というところでベテランの「間」が光った。九回、先頭の代打・田中に四球を与える。すかさずマウンドへ駆け寄り、ひと呼吸置いた。「流れが良くなかった。でもマウンドで(メッセンジャーが)笑っていたので大丈夫でした」と振り返った。
さらに1死後、代走・赤松の盗塁を読み切った。外角へ大きく外し、二盗を阻止。一回も二塁への盗塁を試みた丸を刺した。
鋭い洞察力には和田監督も最敬礼だ。「1点勝負の駆け引きというところで、うまく働いてくれた」。試合前にはスコアラー室にこもり、データを収集。準備を怠らないベテラン捕手を称賛した。
藤井が離脱し、チームは痛手を負った。だからこそ窮地を救った鶴岡の存在は大きい。「与えられた場所で頑張るだけ」と話したが、先発マスクでは8勝1敗の好成績。首位獲りをもくろむ和田虎にとって、背番号40の経験は大きな武器となっている。