ゴメス砲で聖地10連勝!さあ奪首や!
「阪神8-4広島」(30日、甲子園)
阪神が二回に一挙7得点の猛攻を見せ、今季3度目の先発全員安打で広島に連勝。マウロ・ゴメス内野手(29)が3ランを放ち、33打点でリーグ打点トップに浮上した。チームは星野仙一監督でリーグ優勝した2003年以来、11年ぶりとなる球団最長タイの甲子園10連勝で、同年5月以来の月間18勝。1日に広島に勝てば今季初の単独首位に躍り出る。
白球が夜空へ緩やかな弧を描いた。再進撃の号砲に、聖地が大歓声とどよめきに包まれる。ゴメスが4号3ラン。全身を震わせる心地よい感覚を味わうように、ゆっくりとダイヤモンドを一周した。
4点を先制して迎えた二回2死一、三塁だった。カウント1ストライクから4球連続で続いたチェンジアップを逃さなかった。5球目。前に流れる体重を右足に残し、野村の決め球を振り抜いた。
「いい打ち方ができた。チェンジアップがたくさん来ていたけど、待っていたわけではなく、うまく対応できた。最後に甘くなった球をしっかりと捉えることができた」
乾いた打球音を残した白球は勢いを失わず、バックスクリーン左へ着弾。和田監督は「チェンジアップを我慢してゴメスらしい打ち方だった」。29日の広島戦で開幕から続いた連続試合出塁が27でストップしたが、打撃だけではなく、メンタルにも狂いはなかった。
29日の広島戦前。旧友と日本での成功を誓い合っていた。自身と同じドミニカ共和国出身の広島・ロサリオと再会。2人は数年前にドミニカのウインターリーグで強豪エスコヒードに所属し、将来大成することを夢見て、汗を流した。
苦楽をともにした仲間から「いいスタートを切っているね」とエールを送られると、「お互いに長く日本でプレーしたいね」。米国ではマイナー生活ばかり。不遇の時代を思い出し、あらためて日本でプレーできることに感謝すると、気持ちを引き締め直した。
7試合ぶりの一発は甲子園10連勝と、4月の球団記録を更新する月間18勝に直結した。1日に広島との直接対決に勝てば、首位に立つ。是が非でも勝ちたい一戦だ。
この日の3打点で今季33打点とし、マートンを抜いてリーグトップに立った4番に掛かる期待は大きい。「打点はチームの勝利につながる。4番、5番が打点を挙げるということはチーム状態がいいということ。もっと2人で貢献したいね」。小休止から再び軌道に乗った主砲が、チームを今季初の首位へ導く。