岩崎“らしさ”見られずプロ初KO
「阪神1‐6広島」(1日、甲子園)
悔しさが阪神・岩崎の全身を伝う。敗戦の事実だけではない。役割を果たせなかったことに、表情には自らへの怒りがにじんでいた。
持ち前の制球力が影を潜める。二回までは無失点に抑えたが、三回はロサリオに高めに浮いた直球をバックスクリーン右へ運ばれた。中西投手コーチが「詰まり気味だったから(いつもなら)届いていなかった」という一打。これまでとは違う岩崎の姿があった。
そして直後の三回の攻撃では、無死一、二塁から送りバントを失敗。岩崎は「やるべきことを、しっかりやらないといけない。それ(バント)も練習しないと」と唇をかんだ。
高めに浮く球は修正できず、四回は3本の長短打を浴びて2失点。五回1死から連打を許したところでマウンドを降りた。4回1/3を、自己ワーストの5失点。五回を持たずにKOされたのもプロに入って初めての屈辱だ。
4月16日の対戦でも6回3失点で黒星を喫した相手。「やりにくさ?そういうのはなかった」と話したが、前回も投げ負けた同期・大瀬良への雪辱は、またも果たせなかった。
「岩崎らしさがなかった。キレもなかった」と和田監督。これもプロの洗礼。その壁を乗り越えたとき、左腕がローテ投手として真の強さを手にする。