4番ゴメス“歴史弾”球団通算7500号
「阪神1‐6広島」(1日、甲子園)
阪神の甲子園連勝は10で止まった。またも広島・大瀬良との対戦で首位奪取に失敗。それでも九回、頼れる4番が一矢を報いた。マウロ・ゴメス内野手(29)が来日初の2戦連発となる5号ソロを中越えに放った。これが球団通算7500号のメモリアル弾となった。
零封負けまであとアウト3つ。無念を覚悟しかけたスタンドが、最後に沸いた。快音を残した打球が、バックスクリーンへ伸びる。左翼席を赤く染めた広島ファンの悲鳴と、マンモスの大歓声が交錯する。ゴメスがプロ初完封勝利目前の大瀬良に一矢を報いた。
九回無死。2ボールから直球を4球連続で続け、力勝負を挑んできた新人右腕に対して「直球にタイミングを合わせていた」。フルカウントからの8球目。真ん中に入った143キロをフルスイングで完璧に捉えた。
「いいボールが来て、それを打ち返せた。ずっとゼロが続いていたのでよかったね。最後は打てるボールがあればしっかり、塁に出ようと思っていた」
2試合連発の5号ソロは、球団通算7500号。過去、球団のメモリアル弾はバース、真弓、金本らが放っている。
これまでの野球人生を振り返ると「そういうことはなかったね」。メモリアルに縁がなかったというゴメス。それでも来日1年目で偉大な先輩に並んで球団史に名を残したことに「よかったよ」と少し口元を緩めた。
チームは広島3タテを逃して、今季初の単独首位浮上にも失敗した。甲子園での連勝も10でストップ。大瀬良には4月16日のプロ初勝利に続いて、プロ初完投を許した。散々な敗戦の中でも、唯一の見どころとなった一発だった。
主砲の勢いはとどまるところを知らない。4月29日の広島戦で開幕から続いた27試合連続出塁が止まったが、小休止の後に2戦連発。和田監督は「(四回の三ゴロ)併殺打も紙一重のところだった。状態は悪くない」と信頼は揺るぎない。
34打点とし、打点はリーグトップをキープ。「最近はボールが見えている。打ちにいくけど、力みすぎないことを心掛けている。打てる球をしっかり待って打つことだけを心がけている」。成績を残しても一切、慢心を見せないドミニカン。まだまだ快音は止まりそうにない。