ゴメス6号特大弾!4番は上昇気配や
「阪神2‐4巨人」(9日、甲子園)
足がよろめいた。下半身で踏ん張ることができなかった。まるでボールをつぶすように、体を極限まで使い抜いたフルスイング。鈍い打球音を残して高々と舞い上がった白球はまったく落ちてこなかった。あまりにも長い滞空時間が、阪神・ゴメスの驚異的なパワーを示していた。
左翼席に飛び込んだのを確認すると、ゆっくりとダイヤモンドを一周し、ホームベース上で何度も手をたたいた虎の主砲。7試合ぶりの一発、そして打点を生み出した場面は0‐0の四回、先頭で迎えた第2打席だった。大竹が投じた初球、高めのストレートを見逃さず「甘い球を完ぺきに捉えられた。良いスイングができた」と納得の表情を浮かべる。
開幕からコンスタントに打点を積み上げてきたゴメス。だが9連戦に突入するとパタリと止まった。打線全体が陰りを見せる中、強引に長打を狙ってのポップフライ、そして三振の数が明らかに増えていた。
この日の試合前練習、ケージ裏にはフォーム修正に取り組むゴメスの姿があった。オマリー打撃コーチ補佐が付き添い、珍しく片手ずつのティー打撃を取り入れた。これまでのスイングを解体し、スムーズなバットの軌道を再確認していた。
「練習では常に修正、アジャストをやっている。それは常に意識している」と明かしたゴメス。3割超の打率をキープしていても、最善を目指すために調整を怠らない。そして放った完ぺきなアーチ。相手も研究を重ねてくる時期に結果を残せているのは、修正力のたまものだ。
「しばらく打線は打ててないけど、これも野球。もともとは点を取れていた打線だから」と強調したゴメス。修正を重ねた先に光がある。猛虎打線の道しるべは、4番の一撃が示している。