ゴメス逆転打点王目指す!エルドと7差
阪神のマウロ・ゴメス内野手(29)が3日、甲子園球場でデイリースポーツの取材に応じた。打撃3部門についての自己評価は及第点としながら、高台への意欲も示した。打点王争いは、71打点でトップの広島エルドレッドを7点差で追い、射程圏内。6ゲーム差の首位巨人追撃へ、不動の4番が自然体で殊勲の数字を積み重ねていく。
ゴメスは、日本の美しきシンボルを知らなかった。「フジサン?知らないなあ…。シズオカにあるのかい?楽しみにしておくよ」。晴天なら次戦の地、草薙球場からも一望できる世界遺産。「日本一」への見識がなく、ドミニカンは頭をかいたが、日本キャリアの「山頂」には無関心ではいられないはずだ。
この日、ヤクルト戦が雨天中止となり、全体練習に参加。練習終了後に本紙の取材に応じ、自己評価、目標設定ついて語った。
「本塁打13本は悪いとは思っていないよ。30本への意欲かい?いや、特に数字の目標は設けていないんだ。毎試合ベストを尽くすことだけを考えて、自分にできることをやっていくだけだよ」
打率・283、13本塁打、64打点。打撃3部門の自己評価は及第点だという。が、満足とは言えない。入団会見では「大きいのを打つことが僕の仕事」と話していた。本塁打はリーグ4位タイで、トップの広島エルドレッドとは13本差。頂上への欲求は言外に秘めている。
首位巨人とは6ゲーム差だ。いつ目標を聞いても「チャンピオンシップを取ることだけ」と答える。となれば、残り71試合で本塁打を何発打てるか、よりも殊勲打の数が標的になる。打点王争いはエルドレッドと7点差のリーグ2位。数字の目標が「ない」とはいえ、自然体でタイトルへの欲を出してもいい。
この日は室内練習場でフォームを確かめるように右方向へ打球を集めた。一貫するルーティンが、全試合不動の4番の精神的な「支え」になっている。
母国ドミニカの最高峰ピコ・ドゥアルテは3087メートル。3776メートルの富士山にはかなわない。まだ見ぬ「日本一」に触れれば、頂上への意欲がかき立てられる、かもしれない。