岩貞、完璧3人斬りで1軍昇格アピール
「フレッシュオールスター、全イ7‐6全ウ」(17日、長崎)
阪神のドラフト1位・岩貞祐太投手(22)=横浜商大=が、長崎で輝いた。ウエスタン・リーグ選抜の2番手で二回から登板し、3人でピシャリ。後半戦での1軍初登板にはずみをつけた。
長崎のカクテル光線に、虎のドラ1左腕が鮮やかに照らされた。岩貞がフレッシュオールスターで輝きを放った。
「0点に抑えられて良かったです。思った以上に緊張したんですけど、楽しんで投げることができました」
先頭の北川には、外角に直球を3球続けると、最後は外角低めにスライダー。1球もかすらせずに空振り三振斬り。続く西浦には粘り勝ち。9球目の外角低め直球で遊ゴロ。テンポ良く2死を奪うと、最後は岸里を左飛に仕留めた。与えられた1回をこの日最速の143キロで締めると、グラブを高々と掲げて、マウンドを後にした。
試合前は静かに燃えていた。「僕にとって楽しみというよりは、貴重なマウンドになる。しっかりと結果を残したい」。公式戦同様の実戦モード。1軍昇格を目指し、アピールの場と位置づけた。
即戦力として期待を背負いながら、出遅れた。1月の新人合同自主トレは発熱でリタイア。安芸キャンプを経て、宜野座キャンプに合流したが、2月19日の楽天との練習試合後、左肘痛に見舞われた。苦しいリハビリ生活。公式戦に登板できたのは、5カ月後の7月だった。
熊本県出身の岩貞。地元九州での登板に、母・多恵子さんが駆けつけた。リハビリ中は毎日、心配していた母に「復帰した姿を見せられましたね」と照れくさそうに話した。
「強力なクリーンアップと対戦したかった」と言うほど、完璧な投球を披露した背番号17。目指す「1軍昇格」へ、結果を出した。8月3日のDeNA戦(甲子園)での先発も検討されている。岩貞の後半戦が今、幕を明けた。